今回のWebリニューアルに伴い、自分のやる気の有無次第で先行きが左右されるコンテンツを一つ始めます。書いてて自分で怖いわ。
 その名も「勝手にフィビ研」。勝手にフィビフ研究です、どっかから空き瓶とか文鎮とかが飛んできそうなタイトルですが許してほしい。ズデニェク・フィビフは1850年生まれ1900年没のチェコの作曲家、日本語で読める資料としては選集が既刊ですし、おそらく世界的に見ても類のないフィビフ関連のWebサイトも日本語で存在しています。
 2020年末、フィビフ没後120年の年の暮れに、思い付きで25日間連続でフィビフの小品を紹介し続ける企画をやりました。以降翌2021年6月、11月とオンラインコンサートで連続してフィビフのピアノ曲を取り上げた結果、少なくとも作品番号が付与されたピアノ曲のうち、おそらくもっとも有名であろう「気分、印象と思い出」以外はすべて取り上げ、YouTubeに演奏動画が載ったことになりました(しかし、おそらく後の記事で書くでしょうが、その規模感からいっても「気分、印象と思い出」に先々取り組めるかは不明)。途中で気づいたのですがYouTubeを見ている限りは他にあまり類似の例はなく、演奏ノートを残しておくことはそれなりに価値のあることかもしれないと考えました。
 残念ながら私は根っからのフィビフ専門家というわけではありません。ロシア語と系統の近いチェコ語は勘レベルで僅かばかり読みますが、決してチェコ語ができるわけではなく、当時広く用いられていたであろうドイツ語においては0点を取ったことのあるありさま、その上私は音楽学を修めた者でもないため、これから執筆を予定しているものはあくまで一演奏家としての見解です。今後できるだけ作品番号順に動画付きで紹介し、たまに曲関連以外の記事も上げようと思います。

 ところで。
 2004年はじめごろ、私のもとにある後輩が全音楽譜出版社のフィビフ「気分、印象と思い出」の楽譜を持ち込みました。恐らくそれが私とフィビフの初めての出会いです。2005年には当時の仲間でオール・フィビフ・プログラムによる演奏会を行い、大学院受験前だった私はソロは弾かなかったのですが、連弾、歌曲伴奏、メロドラマと関わらせていただきました。現在は2022年、フィビフとも長い付き合いになりました。プラハには新婚旅行で一度行ったきりですが、初めて踏んだ街のリズムはフィビフの連弾のためのソナタ(作品28)の3楽章を頭の中に鮮やかに呼び起こしました。私、あの3楽章すごく好き。

 今後どうぞよろしくお願いします。

2022年1月 加瀬茉理枝